理工学部校友会(工科校友会)は,大正13年5月25日に発足した高等高学校校友会がその母体と言われている。発足の経緯は興味深く,前日の5月24日に行われた第2回高等工学校の卒業式(土木21名,建築45名,機械41名)後の謝恩会の席上で来賓の第1回卒業生からその結成が強く提議され,翌日には発足式が挙行されると言う,母校愛の発露とも言える発足であった。 一方,全日本大学としての性格を持つ校友会は,明治26年に発足した日本法律学校校友会がその始まりである。日本法律学校は明治36年に大学組織となり,大正9年に大学として認可されて今日の日本大学の発展を築いたが,昭和15年には校友が約7万人となったことを機に,日本大学本部内に「日本大学校友会」が組織された。日本大学校友会は戦後しばらくの活動を停止していたが,昭和23年3月,戦後停止状態にあった日本大学校友会が新発足し,これに合わせて工科校友会を含む各学部の校友会も,部会として参加することになった。
当時の工科校友会の業務には,学生の下宿先先やアルバイトを新聞広告で募集し,これを学生に斡旋すると言う,現在では大学の学生課や就職指導課が行うような仕事も含まれていた。その頃の校友会事務室は,旧1号館の奥にあったが,やがて昭和35年に5号館の2階に移動し永らく活動の拠点となっていた。しかし,1号館改築の計画が起こり,これに伴う学部事務室等の移動に従って,平成12年から現在の9号館11階に本拠を構えることになった。
現在の校友会の性格と活動内容は会則から知ることができるが,平成14年6月の総会で改正された「日本大学理工学部校友会会則」(全22条)においては,校友会の形態と活動を規定する1~6条には次の通り記載されている: (名 称)第1条 本会は,日本大学理工学部校友会という。 (事務局)第2条 本会は,事務局を東京都千代田区神田駿河台1の8の14 日本大学理工学部内におく。 (部 会)第3条 本会は,日本大学理工学部各科毎に部会を構成する。(部会に関する規程は別に定める。 (支 部)第4乗 本会は,各地域ならびに必要に応じ各職域に支部をおく。 (目 的)第5条 本会は,会員相互の親睦を厚くし,会員と日本大学との関係を密にしかつ母校の発展に寄与することを目的とする。 (事 業)第6条 本会は,前条の目的を達成するために次の事業を行う。)会誌,名簿の発行 )講習会,その他諸集会の開催 )学生の就職活動に対する支援 )日本大学の発展に寄与するために必要な事業 )その他本会の目的を達成するために必要な事業
現在の理工学部校友会の会員数は約19万人に達し,各学科に所属する12部会を中心に,地方支部,職域支部が活発な活動を行っている。また,工学部,生産工学部,薬学部校友会とともに工科系校友会連絡会を持ち,相互の校友会の連携と一層の発展を図っている。
(上記沿革については,桜工72号に山本滋氏(電気19年卒)の「思い出を語る」を参照させていただいた。)
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